高校生も部活と勉強の両立はできる!
勉強法や受験との両立方法を解説
高校生になると、その先には大学受験が控えています。中には、高校卒業後に就職をするという人もいるでしょう。
そんな、将来にとって大事な節目とも言える受験や就職を控えている状況でも、「高校でも部活をやりたい」「頑張ってみたい」と思っている人は多いと思います。ですが、中学生のとき以上に、部活と勉強の両立が難しくなるため、周囲の大人たちに、
「高校では、部活よりも勉強を優先したほうがいいんじゃない?」
「両立できないなら部活は辞めて!」
といったことを言われ「本当に自分は、部活と勉強の両立ができるのだろうか?」と不安になっている人もいると思います。
結論から言うと、高校生になっても部活と勉強の両立はできます。実際、約7割もの学生が運動部や文化部に参加し、両立している状況です。
ただし、誰もが両立できるわけではありません。部活と勉強の両立ができずに悩んでいる人も多くいます。
そこで本記事では、部活と勉強の両立事情について触れながら、両立できる人とできない人の差について紹介していきます。
両立できない人向けの解決方法や受験勉強との両立の仕方、両立することが将来どのようなことに役立つのかについても解説しているので、部活と勉強、部活と受験勉強の両立に悩んでいる人は必見です。
◎本記事でわかること
- ・部活と勉強の両立ができると言える理由
- ・部活に入っている人の傾向
- ・部活と勉強の両立ができる人とできない人の差
- ・両立できない人向けの解決方法
- ・定期テスト前の対策方法
- ・受験勉強との両立の仕方
- ・部活と勉強を両立することで得られるプラスの効果
本記事を読めば、部活と勉強を両立するために自分が取るべき行動がわかり、両立の経験を大学受験や就職の際にどう活かせるのかがわかります。
将来のことを考えると、高校生活において学業はとても大事なことです。ただ、同じ学校に通う仲間との部活動も今しかできない大切なことですよね。
そんな部活も勉強も頑張りたい人はもちろん、部活と勉強の両立に不安がある人や悩んでいる人の問題や課題を少しでも解消できるよう、解説していきたいと思います。
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1.高校生になっても部活と勉強の両立はできる
大学受験や就職を控える高校生活において部活と勉強の両立ができるかどうかは、人によって意見が分かれるかもしれませんが、実際に実現してきた先輩がたくさんいます。
そこでまずは、「部活と勉強の両立ができる」と言える理由について、さまざまなデータをもとに見ていきましょう。
多くの高校生が部活と勉強の両立をしている
部活と勉強の両立でまず気になるのが、「どれくらいの人が部活と勉強の両立をしているの?」ということでしょう。
ベネッセが行った調査によると、受験期の中学3年生と高校3年生を除く、中高生の部活動加入率は以下の通りです。
※参考:ベネッセ教育総合研究所「第1回 放課後の生活時間調査-子どもたちの時間の使い方[意識と実態]」
部活動の加入率は、中学生が約90%、高校生は約71%となっており、高校入学後も約7割の学生が運動部もしくは文化部の部活動と勉強の両立をしています。
◎保護者から見た「子どもの部活と勉強の両立」
中には、部活と勉強の両立を心配する親から「受験を優先したら?」「大学に入ってから、また部活をしたらいいんじゃない?」と言われている人もいるでしょう。ただ、その発言が、勉強と部活の大変さからあなたのことを心配したのであれば、工夫や取り組み方次第で保護者の考え方を変えられる可能性があります。
部活と勉強の両方を一生懸命に取り組んでいれば、「両立はできている」と感じる保護者が多いという現状があるからです。
以下は、公立中学校に通う子どもを持つ保護者と、公立中学校を卒業した高校1年生の子どもを持つ保護者を対象に行った、「子どもは部活と勉強ができているか」というアンケート調査の結果をまとめたグラフです。
※参考:株式会社栄光「中学生の部活動と勉強に関する実態調査」
「部活と勉強の両立ができている」と実感する保護者が68.3%も占めています。
そのため、どちらか一方ではなく、部活も勉強も自分にできる工夫や取り組み方で頑張れば、部活動を反対される可能性は少ないでしょう。
部活を一生懸命やることで成績が下がることはない
たくさんの人が部活と勉強を両立していることがわかりましたが、「実際のところ、部活をやっている人の成績ってどうなの?」ということも気になりますよね。
「部活を一生懸命やっていると成績が下がるのでは?」という心配があるかもしれませんが、「部活を一生懸命やること」と「成績が悪いこと」はイコールではありません。
※参考:ベネッセ教育総合研究所「第1回 部活動の役割を考える」
上のグラフは、高校生における部活動別の成績を表しています。
見ていただくとわかる通り、部活をやっている・やっていないで成績に大きな差がないことがわかります。
特に男子高校生に注目すると、部活をやっていない人の成績上位層は25.5%であるのに対し、運動部は26.2%、文化部も31.1%が成績上位となっており、部活をやっているほうが成績上位層が多い状況です。
部活参加者の活動時間の長さで成績に差が出るのかを確認しても、活動時間が長いほど成績が下がるということはありませんでした。
つまり、部活動の参加の有無や活動時間の長さが成績に影響しないということです。学習時間を決めて勉強をしていれば、部活を一生懸命やっても成績が下がる心配はないでしょう。
受験勉強とも両立できる
受験期になると中学3年生、高校3年生は引退して勉強に専念する学生が多く見られます。しかし、文武両道を掲げる高校では、受験勉強をしながら高校3年生の夏~秋(10月ごろ)の大会まで部活動を行う学生もいる状況です。
「部活動が受験勉強の障害にならないもの?」と心配に思う人もいるかもしれません。確かに、部活をしていると「学習時間が限られてしまう」「疲れて勉強ができない」といったデメリットもありますが、それだけでは部活動が受験に悪い影響を与えるとは言い切れません。
※参考:河合塾マナビス「大学受験に関するアンケート」
上のグラフは、学習塾の「河合塾マナビス」が行った「部活動と大学受験に関するアンケート」の調査結果です。部活動と受験勉強を両立させていた先輩たちの約6割が「受験勉強に対して部活をしていることが良い影響を与えていた」と回答しています。
具体的に、次のような面で良い影響を与えていたと感じています。
※出典:河合塾マナビス「大学受験に関するアンケート」
部活動と受験の両立という同じ悩みや不安を抱える仲間がいると、一緒に相談し合うこともできますね。一緒に頑張る仲間がいるだけでも心強いものです。
また、部活をしていることで、時間を有意義に使わなければならいというプレッシャーや責任感、受験勉強以外のことに没頭できる部活動が、学習意欲に良い影響を与えることも伺えます。
部活をしていてもそれが励みや息抜きとなり、勉強にも前向きになれるという傾向が見られるため、人によっては、部活を続けながら受験勉強をするほうが、勉強がはかどる可能性もあるでしょう。
2.部活と勉強の両立ができる人・できない人の差
部活と勉強の両立はできるとお話ししましたが、誰でも両立できるわけではありません。
ベネッセが発表している情報によると、成績上位層は63%が「部活と勉強の両立ができている」と感じていますが、成績下位層になるとその割合は30%まで低下し、両立の難しさを感じる傾向が見られます。
では、両立に苦戦する学生は、どのようなことが理由で両立できない状況になってしまうのでしょうか?
その理由を
- 帰宅後の過ごし方
- 授業中の過ごし方
- 時間の使い方
- 勉強に対するモチベーション
- 誘惑との付き合い方
上の5項目で比較すると、部活と勉強の両立ができる人とできない人の行動の差が見えてきました。
「部活と勉強の両立ができていない=時間が足りていないことが原因」と考え、「部活を辞めるべきなのかもしれない」と思う人は多いですが、本当の原因は時間の不足ではありません。
部活と勉強の両立ができる人とできない人の大きな差は、「目的」や「計画性があるかどうか」です。特に計画性は、部活と勉強という限られた時間を有効的に活用するのに欠かせない要素です。
※参考:ベネッセ教育総合研究所「第4回 学習基本調査」のデータをもとに独自に作成
部活を積極的に行う生徒ほど、限られた時間を有効に活用する傾向があり、平日の学習時間が長いという結果が出ています。つまり、時間の使い方がうまいということです。
特に定期テストの勉強の開始時期を見ると、両立できる人とできない人の差がわかりやすいです。
※参考:ベネッセ教育総合研究所「第4回 学習基本調査」のデータをもとに独自に作成
部活をさぼり気味の人や部活に入っていない人で、10日以上前からテスト勉強を開始するという人は約40%です。
一方、部活と勉強の両立ができる人は、2週間前から始める人が約40%、10日前から始めるという人も15~20%ほどおり、部活に積極的な学生の約60%が早い段階から計画的に学習しています。部活に積極的な人は部活動による疲れや忙しさで勉強ができなくなることをあらかじめ見越して勉強しているのです。
したがって、早くから計画的に学習するクセを身に付ければ、部活と勉強の両立ができないという悩みが解決できる可能性があります。具体的な解決方法については、次章で詳しく紹介していきます。
3.【ケース別】部活と勉強の両立するための5つの解決方法
部活と勉強の両立ができることがわかったものの、両立ができない人もいるとお伝えしました。ただ、ケースに応じた解決方法がわかっていれば、部活と勉強の両立ができないという悩みを解決できる可能性があります。
そこで、この章では「2. 部活と勉強の両立ができる人・できない人の差」で取り上げた次の5つのケース別に、両立できている人がやっている解決方法を紹介します。
- 帰宅後の過ごし方
- 授業中の過ごし方
- 時間の使い方
- 勉強に対するモチベーション
- 誘惑との付き合い方
できることからマネをすれば、きっとあなたも部活と勉強の両立ができるようになるはずです。
【解決方法1:帰宅後の過ごし方】着替える前に時間を決めて机に向かう
部活と勉強の両立に難しさを感じる理由として多いのが、「家に帰ると疲れて勉強できない・集中できないこと」です。家に帰り、制服から楽な服装に着替えてしまうことで、気持ちが学校モードからおうちモードに切り替わってしまうことが要因のひとつとして考えられます。
そのため、学校から帰ったら、着替える前=制服を着ている学校モードのうちに勉強するようにしてみてください。
できることからマネをすれば、きっとあなたも部活と勉強の両立ができるようになるはずです。
◎帰宅直後の勉強例
- 得意な英語の長文和訳を10分間する
- 10分間、社会や英単語などの暗記系の勉強をする
- 15分間机に向かい、授業のノートを読み返す
- 30分間、苦手科目の勉強をする
- 30分間、ワークブックの演習問題を解く
やる気が出ないときは、得意科目や好きな科目から取り掛かれば勉強へのハードルも下がり、継続的な学習習慣を身につけられるようになります。
まずは、短めの時間でできる勉強から始めてみましょう。
【解決方法2:授業中の過ごし方】授業ですべてを理解できるよう集中する
「運動部で、大会前の練習はハードだから、帰宅後の過ごし方の解決方法が難しそう…。」「家ではできる限り休みたい」という場合には、授業中の過ごし方を工夫しましょう。
疲れていると授業中に眠たくなったり、集中できなかったりする気持ちもわかります。しかし、部活をしていると、家で過ごす時間も限られますよね。その中で勉強しなければならないとなると、効率的な学習がカギになってきます。
◎授業を受ける際のポイント
- わからないところに、
理解度に応じた印をつけておく - 例)
- 解説を読むと理解できた部分:△
- 説明を聞いても理解できない部分:✕
家に帰ってすべてをやろうとすると時間がかかりますが、授業を真剣に受け、わからないところや理解できなかったところだけ印をしておけば、授業後すぐに先生や友達に教えてもらうことができます。
それでも、まだ覚えきれないことや理解できないことがあったときは、家で印した部分を中心に勉強しましょう。
印をつけておくことで、テスト前も見直すべきポイントや自分が理解できていないところをすぐに把握できるので、効果的な勉強を短時間で行うことができます。
また、学習時間が短くなっても、わからないところを中心に勉強しているので、目的もなく勉強するよりも質の高い勉強につながります。効率よく勉強すれば充分な休息や自分の時間も取れるので、家では勉強できない・集中できないという人は、授業中にすべてを理解できるよう集中し、家ではわからないところを中心に復習する学習スタイルを試してみてください。
【解決方法3:時間の使い方】1日のスケジュールを意識して行動する
部活と勉強の両立ができている人は、1日24時間を有効的に活用しています。
例えば、「家に帰ったらすぐに寝たい」「部活と塾で、帰宅後は時間の余裕がない」とき、勉強に対するモチベーションは低いので、勉強しようとしても効率が悪くなるだけですよね。
「疲れている」「眠たい」ときは夜遅くまで起きるのではなく、その日は潔く勉強をやめて早く就寝しましょう。その代わり、次の日の朝はいつもより1時間早く起きて勉強することで、無駄な時間を減らしながらも、限られた時間を最大限勉強に活かすことができます。
他にも、1日のスケジュールを意識し、次のような具体策で時間を有効活用できます。
◎1日のスケジュールを意識して行動する方法例
- 毎日やる勉強を決める(ルーティン化する)
- ⇒毎日、通学時に英単語を10個覚える
- やるべきことをリストに書き出す
- ⇒帰宅後に数学の演習問題を5問解く
生活の中にある隙間時間にできる勉強を決めておくことで、限られた時間の中でも勉強時間を確保できます。
ダラダラと過ごしてしまいがちな人は、「できるときに勉強する」「疲れているときは無理せず、翌日のスケジュールに組み込む」など、1日のスケジュールを意識した行動を実践してみましょう。
【解決方法4:勉強に対するモチベーション】自分+誰かのために頑張ってみる
ずっと勉強をしていると、ふとした瞬間に緊張の糸が切れてしまい、目的を見失ってしまうこともあるでしょう。
「これだけ頑張ったし、もういいかな。」「こんなにつらい思いまでしてやるもの?」など、部活と勉強の両立やいずれか一方を諦めたりしてしまう人もいるかもしれません。
自分の将来や夢ために頑張っていると、つい言い訳をしてしまいやすいですが、もし言い訳をして諦めそうになったら、一度誰かのために頑張ろうと考えてみてください。
- 塾への送迎や毎日の生活を支えてくれる家族を喜ばせたい
- 応援してくれている気持ちに応えたい
というように、自分以外の誰かを意識してみることで、勉強に対するモチベーションを高められる可能性があります。
◎部活と勉強の両立を頑張りすぎてしんどくなるくらいなら…
頑張りすぎて疲れてしまうくらいなら、できないことに見切りをつけてできることだけにフォーカスするのもひとつです。見切りをつけるというのは、諦めるということではなく、やり方を変えるということです。
例えば、苦手な科目は理解できなかった部分の見直し程度にして、得意な科目を重点的に勉強するというように戦略を変えれば、得意を効率よく伸ばすことができます。
【解決方法5:誘惑との付き合い方】細かく時間を区切って集中的に学習する
細かく時間を区切り学習に集中する時間と自分の時間にメリハリをつけることで、勉強にも前向きに取り組めます。
学習時間は、1回15分がおすすめです。東京大学薬学部と株式会社ベネッセコーポレーションが共同で行った学習時間の調査で、長時間学習よりも短時間集中を繰り返す積み上げ型学習のほうが、学習内容が定着しやすいことがわかっているからです。
※出典:株式会社ベネッセコーポレーション「勉強時間と学習の定着・集中力に関する実証実験」
15分頑張った後に休憩を挟むことで時間のメリハリもつきやすく、集中力が持続しやすいことも、テストの結果が大きくアップした理由だと考えられます。
また、1回15分なら、まとまった時間が取りにくい人でも、「家を出る前」「就寝前」などの工夫で時間の確保できると思います。たった15分でも朝・晩2回行い、それを1か月間続ければ約15時間も学習していることになります。
◎15分学習のやり方例
- ①タイマーを15分でセットして勉強を始める
- ②タイマーが鳴ったら5分間休憩する
- ⇒①・②の繰り返し
部活と勉強を両立させたい場合、できる限り時間を有効に活用するのが理想ですが、制限ばかりではストレスが溜まりますよね。部活と勉強を両立させながら、自分の好きなことに使う時間も大切にしたいという場合は、1回15分の積み上げ型学習でメリハリのある時間管理を行い、誘惑との付き合い方を工夫しましょう。
4. 定期テスト直前まで部活がある人必見!得意・不得意別のテスト対策
部活と勉強を両立する解決方法を紹介してきました。定期テストの勉強にも応用できる方法ですが、出題範囲が広く、毎日の予習・復習や宿題とは異なる部分もありますよね。しかも、一度に複数の教科を勉強しなければならないため、普段の勉強以上に効率よく勉強する必要もあります。
そこで、この章では得意・不得意科目別に効率よくテスト対策する方法について紹介します。
【得意科目】授業でわかりにくかったところだけを中心に見直す
得意科目は、ポイントを押さえて勉強するのがおすすめです。具体的には、授業で理解できなかった部分や間違えやすい問題などを中心に見直すと効率よく勉強できます。
◎得意科目の勉強例
- 授業中に印をつけたわからなかった問題をもう一度解く
- ⇒再び間違えたら解説を読み、理解できなければ先生や友達に質問する
いつも80点以上取れている教科はどれだけ頑張っても伸びしろは20点しかありません。しかし、いつも60点しか取れない教科は、40点も伸びしろがあるため、いつも60点しか取れない教科に力を入れるほうが全体的に成績を上げることができますよね。
ただし、得意教科の勉強がはかどるからといって、その教科ばかり勉強していると、苦手教科の勉強ができなくなります。
得意科目の勉強は、授業でわからなかった部分やよく間違える問題などを中心に見直す程度にして、不得意な科目に時間を割くようにしましょう。
【不得意科目】勉強したらできる分野を重点的に取り組む
不得意な科目に時間を割くようにしても、わからないことが多く、どこから手をつけるべきか悩んでしまうという人もいるでしょう。そのときは、「これさえ勉強したら点数を稼げる」というところから重点的に取り組んでいきましょう。
◎不得意科目の勉強例
- テストに出そうな漢字や熟語を覚える
- 暗記系は、語呂合わせや言葉の意味を考えながら覚える
- 間違えた問題、解けなかった問題は、例題の問題を解いてから演習問題を解く
- ⇒例題は正解したものの、演習問題で間違えた場合は、何度も演習問題を解いて慣れる
- ⇒例題も間違えてしまう場合は、先生や友達に教えてもらう
受験にも言えることですが、テストや試験で一番大事なのは、みんなが正解する問題を間違えないようにすることです。
例えば、国語なら出題範囲の漢字、英語なら単語や文法、社会なら年号や出来事といった部分です。まずは、基本的な部分の点数の取りこぼしを防くことを意識しましょう。
公式を使った応用が求められる数学や思考力を試される理科などは、最低限、基本の公式や考え方を覚えましょう。演習問題などを活用して間違いやすい問題を何度も解き、やり方に慣れていくのも有効です。
苦手なことに時間をかけても、勉強に対するモチベーションが下がって逆効果になる可能性があります。見切りをつけて、確実に点数につなげられる部分を中心にテスト対策をしましょう。
5.受験勉強は別物!大学受験を考えている場合の部活と勉強の両立方法
部活と勉強の両立をするための解決方法とテスト対策を紹介しましたが、これはあくまでも毎日の勉強や定期テスト向けの解消方法です。
受験は、もちろん毎日の勉強の延長線上にあるのですが、テストと受験勉強は別物です。
たとえば、自主学習では
「前回の定期テストで古典の点数が悪かったから、古文単語と古典文法をやろう」
「地理が苦手だから、勉強時間を増やそう」
など、苦手科目や分野に注目した学習計画を立てますよね。学校での定期テスト対策であれば、上の2つの勉強法も間違いではありません。ただ、受験=志望校へ合格することを目的とした場合、それらの勉強方法では合格できない可能性があります。
理由は、志望校によって出題される問題の内容が違うからです。
志望校の入試が現代文のみで古典がなければ、受験勉強においては古典をする必要がないですよね。また、志望校の入試科目が、国語・英語・数学の3科目だけであれば、受験のために地理を勉強する必要もありません。
日々のテスト勉強と受験勉強は、内容もやり方も違います。そのため、受験を見据えている場合や志望する大学や短大などがある場合には、自主学習だけでなく進みたい進路に合わせた受験対策ができる塾へ通うことも含めて検討し、必須科目の基礎を固めながら、志望校のレベルに応じた受験勉強をしましょう。
時間を有効活用しながら受験勉強をしたい人はオンライン塾がおすすめ
塾には、一般的な通うタイプの集団指導塾や個別指導塾もありますが、自宅から塾へ通う時間もかかりますよね。遠くの進学塾へ行くとなると、通塾に往復30分以上かかることもあるでしょう。
遠くても学びたい理由や目的があるのであれば、塾へ通うのもひとつの方法だと思います。ただ、その塾の行き帰りにかかる時間や、時間の有効活用を考えているのであれば、オンライン塾がおすすめです。
オンライン塾は、インターネット環境があればスマホひとつで授業を受けられるスタイルの学習塾です。
業界初の「1科目+20点の学校成績保証」を掲げる「森塾」や、AIタブレットを活用したオーダーメイド自立学習を提供する「自立学習 RED」など、全国300校舎以上の学習塾を運営する株式会社スプリックスでも、対面授業のノウハウを活かした「そら塾」というオンライン塾を運営。10万人以上の指導実績があり、多くの人が利用しながら、勉強に取り組んでいます。
そんなオンライン塾のメリット・デメリットは次の通りです。
- オンライン塾のメリット
- 全国どこでも自宅にいながらハイレベルな授業が受けられる
- 通塾不要で時間を有効活用できるため、部活とも両立しやすい
- 単元ごとの解説映像などの動画コンテンツもあり、繰り返し学習できる
- 通うタイプの塾よりも授業料が安い
- オンライン塾のデメリット
- 自分から進んで勉強する必要がある
- 競い合う仲間がいない
限られた時間の中で、部活と勉強を両立させたいのであれば、オンライン塾が向いています。高校生のオンライン塾を選ぶ際のポイントなどが知りたい人は、こちらの記事も合わせてチェックしてください。
高校生向けオンライン塾とは?メリットやデメリット、選び方を解説
6. 高校生活で部活と勉強を両立した経験は将来プラスになる
ここまで、部活と勉強の両立事情や両立方法などについて見てきました。
その中で、部活と勉強の両立は大変そうだと感じた人もいるでしょう。確かに、工夫や努力が必要になるので簡単なことではないかもしれません。ただ、「どうすれば部活と勉強の両立ができるのか?」を考え、その悩みを克服するという経験の中で得られることもあります。
そこでここでは、部活と勉強を両立したその先にあるメリットについてお話ししたいと思います。
社会的なスキルが自然と身につく
部活と勉強を両立する中で、将来、社会に出たときに役立つスキルを自然と身につけることができます。
例えば、部活と勉強という複数のことを並行して進める能力も立派な社会的スキルのひとつです。
社会に出ると、「期限までに作業Aと作業Bを同時並行で進める」といった複数の業務を効率よくこなさなければならないことがあります。そのとき、部活と勉強の両立をした経験があれば、同じ要領で時間の使い方や仕事への取り組み方を工夫し、限られた時間を有効活用しながら成果へとつなげていくことができるでしょう。
自分で考えて行動するという計画性や実行力は、仕事でも非常に役立つ能力です。今やっている部活と勉強の両立は、将来にとっても意味のある経験なので、ぜひ頑張ってみてください。
部活と勉強の両立で得た経験は今後の受験や就職で活かせる
部活と勉強の両立で得た経験は、より身近な大学入試や就職における自己PRやエントリーシート、小論文などでも自分の武器になる可能性があります。
- 部活と勉強の両立で頑張ったこと
- 定期テストに備えて、早めにテスト対策をする
- 部活動に励みながら、常に定期テストで20位以内だった
- 60点しか取れなかった教科で、80点以上の点数をキープできるようになった
- 大学入試や就職でアピールできる能力
- ゴールから逆算して、計画的に行動できる
- 限られた時間を工夫して、成果を出すことができる
- 問題や課題を解決・改善するための計画を立てて取り組み、成果を出すことができる
部活と勉強の両立をしている中での「こだわり」や「工夫」、「頑張ったこと」は、言い換えると「自分には計画性がある」という根拠や説得材料になります。
自分の強みとして活かすことができるので、ぜひ部活と勉強の両立を頑張ってみてください。
7.まとめ
高校生の部活と勉強の両立についてお話ししてきました。自分でもできそうかイメージがわいてきましたか?
最後にもう一度、高校生活における部活と勉強の両立についておさらいしていきましょう。
◎高校生になっても部活と勉強の両立はできる
※参考:ベネッセ教育総合研究所「第1回 放課後の生活時間調査-子どもたちの時間の使い方[意識と実態]」
◎実際、高校生が部活に加入して勉強と両立しています。
※参考:ベネッセ教育総合研究所「第1回 部活動の役割を考える」
成績については、部活動をしているかどうかで大きな差は見られません。そのため、部活を一生懸命やっているから成績が下がるとは言えませんが、中には両立できない人もいます。
◎両立できる人とできない人の大きな違いは、「目的」と「計画性があるかどうか」です。
部活と勉強の両立ができている人は、勉強の目的やどのように勉強を進めるべきかという計画を明確にして、目標を達成するために何をするべきかということを逆算して考え、行動しています。
両立できずに悩んでいる人は、両立できている人の考え方や行動をマネすることで“両立できる人”に変われる可能性があるので、ぜひ「3. 【ケース別】部活と勉強の両立するための5つの解決方法」を見て、やれそうなことから実践してみてください。
ただし、受験勉強は普段の勉強方法とは別次元の話です。志望校ごとに傾向や対策が変わってくるので、受験対策をしたいときは、独学よりも塾へ通うほうがより効率よく受験勉強を行えます。
しかしながら、部活と勉強の両立を頑張ろうとすると、遠くの塾へ通うその通塾の時間さえ有効に使いたくなりますよね。そのような人は、通う塾以外の選択肢としてオンライン塾を検討してみるとよいでしょう。
部活と勉強を両立することで、計画性や実行力という社会的スキルが自然と身につき、その経験が大学受験や就職の際に自分の強みとなる可能性もあります。
部活と勉強の両立は決して簡単なことではないかもしれませんが、同じ学校に通う仲間と部活ができるのは今しかありません。
スポーツや芸術など、勉強以外に自分がやりたいと思っていることを頑張ってみたいという気持ちは、とても素敵なことなので、ぜひ本記事を参考にして、自分なりの工夫や取り組み方で後悔のないようやり切ってください。